東京都小金井市のYさまから「ピアノを移動したいから見てほしい」とご連絡をいただいたのが5月の連休中。1979年製のヤマハ「YUA」というピアノで、当時の最高級モデル! 放置されていたものの状態はまずまずで、全体の再調整と、このピアノの欠点である打鍵(打弦)時の雑音を防止する改造をすればOK!でした。消音ユニットも付けたいとのご要望でしたので、一旦工房に入れることになりました。

 

 

作業内容は基本的に先日の甲府市OさまのBL-31と同じですので、写真を中心にご紹介します。

清掃と潤滑作業

 

 

 

 

 

ハンマー整形

 

 

 

鍵盤高さ調整

(わかりにくいですが「ビフォー」→「アフター」です💦)
 

 

ハンマー間隔

些細なことですが、ここもキッチリと!

 

毎度お見せできないのが残念ですが、他にもたくさんの調整を丸1日掛けて完了です!

 

さてさて、ここからが見所(笑)

消音ユニット取付(ピアメイトRB-900)

 

この「YUA」というピアノ。当時、画期的なアイデアで連打性能を高めた「クイックリターン」という板バネが内蔵されています。
 

ヤマハ純正を含む全ての消音ユニットは、ダンパーストップレールを外して消音バーに付け替えるのですが、このピアノはそこにクイックリターンが付いています。つまり、消音ユニットを取り付けるとクイックリターンの機能がなくなってしまうのです💦 なので、ヤマハ純正は『取付不可』でした。

ピアメイトを熟知しているシミズピアノサービス。パッとアイデアが浮かび、「ピアメイトなら取り付けられる!」と・・・

色々な方法を考えました。
①クイックリターン機能をなくしてしまう
②普通のピアノのようにバットスプリングを取り付ける方法
③消音バーにクイックリターンを付ける

①は絶対にありえない。ハンマーを戻す役目の部品がなくなってしまうわけですから❌️
②は最も根本的な解決方法ですが、時間と手間と何より費用が掛かるからビミョ〜△
③は最も簡単な方法ですが、消音バーの形状を考えると難易度が高いと考えられる△

そして思いついたのが、『クイックリターン用に新たにレールを作る』方法!
「オリジナルのレールをそのまま使えば良いのでは!?」と思った方、イイところに目がいきましたね! 私も最初はそう思ったのですが、レールの厚みが邪魔をして消音バーがうまく機能しないのです💦 (写真はオリジナルのレール)

 

詳しくは企業秘密(笑)ということで伏せますが、薄くても曲げに強いアルミ金具を使用してレールを作りました!(写真は拡大できません💦)
 
雑音防止処理も施しました!

 

 

あとは普通に他の部品を取り付けていきます!

鍵盤関係

 

 

ペダル関係

ソフトペダルセンサーの取付だけ加工が必要でした。長すぎて当たってしまう💦のでカット!
 

 

 

その他

 

下まわりはOK

 

消音バー

今回は念のため無加工を使用したので、ブラケットに当たる部分をカットしました。
 

 

 

ちゃんとクイックリターンも付いています!
 

 

完成!

以上で全ての作業が完了しました!


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