10月に訪問させていただいたMさまのピアノ。その時に「バットスプリングコード」という部品(紐)が経年劣化で多数切れていました。ですが、とにかくメチャクチャな音程で「調律を最優先に!」とご要望で1ヵ月後の修理となりました。
※この記事はMさまに修理内容を説明するための投稿です。

バットスプリングコード貼替修理

まずはアクションを工房へ持ち込みました。

 

本来白いのですが茶色に変色して多数切れています。

 

ハンマーに弦の跡(通称:弦ミゾ)が深く付いていたので、今回はハンマーを外して専用工具で整形を行いました。

 

ビフォー(左)・アフター(右)
 

以前に作業したの動画→ https://youtu.be/LrIJQDu9RQw

 

劣化した紐を溶剤で剥がして、新しい紐を貼っていきます。
 

 

写真だと、さぞ簡単に見えますが・・・
88本貼り替えるのはナカナカ時間が掛かります(汗)

 

ほとんどの調律師はこの作業を現場で行いますが、預かることに理由があります。
①作業効率
②クオリティ
③他箇所の改善
④時間
弾けない時間が1日出てしまいますが、やはり仕上がりが大事なので必ずそうしています。例えば③ですが、こんなこともやっています。
 

ダンパースプリングの雑音防止対策です。このピアノの2世代前までは標準で付いていましたが、大量生産にあわせて潤滑剤処理(緑色の部分)に変更されました。しかし経年変化で逆に「ギシギシ」と雑音が出てしまいます。

 

その他の作業(テフロンパウダーで潤滑処理・各ネジの増締め)
 

 

ハンマーを元に戻して・・・

 

完成です!

 

最後にシミズピアノサービスで修理した証を残します。

 

本日(11月19日)Mさまへお届けして最終調整をさせていただきました。


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