このOさまのピアノに関しては、フルオーバーホールではなく、主に消耗部品交換という事で話がまとまりました。響板塗装などは行いません。

C3B #189万代 (製造番号下4桁は画像処理で消してあります)

 

まずは、ダンパーと呼ばれる、弦の振動を止める(音を止める)ための部品を外します。

 

古い弦の跡がダンパーフェルトについているので、フェルトを新しく貼りかえきっちり止音するようにします。まずはフェルトをざっくり剥がし、接着剤の跡もキレイにしていきます。ダンパーヘッド(黒い部分)やワイヤーも磨きますが、まだ途中です。
  


ダンパーは一時中断して…

 

弦を外す前に現状を細かくチェックし測定して記録しておきます。

 

そして解体に入ります。
弦を少しずつゆるめていき外します。

 

チューニングピンも緩めていき抜きます。

 

アグラフも抜き、フェルトを剥がし、フレームの掃除をします。かなり汚かったので、ピカピカにし甲斐があります


キレイになった全体像を撮るの忘れました

 

アリコートも磨きました。

 

そしてベアリング研磨。古いピアノで弦が切れやすくなる原因の一つがこの箇所です。
弦の跡がくっきり食い込んでいます。

 

キレイに研いでいきます。フレームの裏側と上面の部分です。

 

ピンブロック(ピンブッシュとも言う)を抜いていきます。この下にピン板という大事な板があるので、抜く際に傷つけないようにしながら一つずつ、全部で約230個抜きます。

 

弦の高さや間隔を揃える部品、「アグラフ」を合わせていきます。仮に入れていきますが、ネジ込みで良い位置にくるものを一つずつ合わせていきます。数十本いれてやっと「キタ〜」ってなることもしばしば。

 

アグラフの本合わせ。これも一つずつ、角度が正しい位置になるように合わせていきます。

 

ピン穴のサイズが下の方が狭く、新しいチューニングピンはオリジナルよりも少し長く、ワンサイズ太いものをいれる為、下からリーマーで調整して、ブラッシングしました。

 

新しいピンブッシュを入れ、穴あけしました。

 

弦枕も厚みも考えながら、新しくして、フレームに貼りました。


これで、張弦前の準備が整い、いよいよ張弦に入ります。

 

まずは芯線弦(中・高音部)を張ります。

 

とりあえず張っただけ、これから引き上げ作業や巻口揃えや、地味で大変な作業が続きます。


ひとまず、芯線部が仕上がりました。

 

低音部、巻線弦の張弦です。今回も巻線はヒロエピアノさんにお願いしてドイツ製の組み合わせ(レスロー+デーゲン)で作成していただきました。


張弦終了! 新しい弦は伸びやすく狂いがでるので、お預かり中に何度も調律します。

 

ダンパーの駆動部分を細かく点検、調整します。

 

レバーとフェルトの接触箇所がざらついていたので、ペーパーがけもしてつるつるに。

 

ダンパー(弦の振動を止める部品)のフェルトを貼っていきます。

 

これでピアノらしくなりました♪

 

鍵盤関係の修理です。
白鍵の小口(手前)が変色、変質してひどい所は形も歪んでしまっていましたので、全て剥がして貼りかえました。

 

キレイになりました

 

鍵盤のブッシングクロスがすり減っていましたので貼りかえました。

 

仕上げはコテ当てで。

他にも…

 

バランスピンは磨き、摩耗していたフロントピンはメッキピンに交換しました。

 

キャプスタンスクリューも磨きました。

 

アクションの消耗部品、レギュレチングパンチングクロスも貼りかえました。

 

貼り終わってクランプで挟んで圧着させています(落ち着かせるためにも)が、その後の真っ白になった写真を取り忘れて、すでにアクションに戻してます^^;

その後、更新する時間がなく編集できませんでした。すみません。

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